最近、モラルのない勧誘が目立つので、啓蒙活動のための発信が多くなっております。読者の皆さま、どうかご容赦頂けたらと思います。
今回は「悪質な勧誘」について糾弾していきたいと思っています。
悪質な勧誘とはどのようなものか?
今回取り上げたいのは「ポンジスキームだったとしても初期に始めれば儲けられる」と言って勧誘している方に向けて「モラルと良心ゼロですね」とお伝えしたいです。
ポンジスキームやHYIP案件を勧誘する人の中に、ごく一部ですが実際にいます(Twitterで見かけたことがありますし、実際にそのように言われて勧誘されたこともあります)
中には「自称プロの投資家」を名乗っててポンジスキームを推奨する人もいますからね。本当に終わってると思います。
では、なぜそこまで強く糾弾しているのか?理由も詳しく解説していきます。
ポンジスキームは被害者を生む地獄の仕組み
なぜ、ポンジスキームを広めるのが良くないかと言うと、ポンジスキームは必ず損をしてしまう人が生まれる地獄の仕組みだからです。
ポンジスキームは、事業を行って集めた原資を増やすことはしません。後から入ってきた人達のお金を先に入った方達の配当に充てていきます。そのため、後から入会する人がいなくなると破綻する仕組みになっています。
ですから今の日本の法律では、ポンジスキームを前提に資金を集めるのは禁止されています。あたり前ですよね。末端で被害者が生まれるわけですから。
しかし近年、仮想通貨が広まったことによって、仮想通貨を使ったポンジスキームが後を絶ちません。巧妙にポンジスキームであることを隠し、詐欺師達は資金を集めています。
しかも近年は「仮想通貨+マルチ商法」の仕組みを使って資金を集めるのが主流になっていますね。マルチ商法の仕組みを使うと、勧誘する側も儲けることができます。そのためお金儲けのために積極的にポンジスキームを広める人もいるのです。
悪質な詐欺師が「自称プロ投資家」を名乗り「ラットレースから抜け出すなら投資をやるべき」と言ってきます。有名なロバート・キヨサキ氏の本「金持ち父さん 貧乏父さん」などの内容を使って、巧みに勧誘してきます。
結果、被害が広がってしまうケースが多いです。最近で言うと「プラストークン」と呼ばれる仮想通貨マルチが、400万人もの人から資金を集め出金停止になりました。
プラストークンは高配当型ウォレットと呼ばれるもので、月利は10%。通常の投資案件と比べて高配当を受け取れるのがウリでした。しかし、6月29日に出金停止になり、約1ヶ月経過した今でも再開の目途はたっていません。
ポンジスキームの可能性が極めて高いと言われています。
このように仮想通貨を使ったポンジスキームで、詐欺師達は一般人から多くのお金を集めています。そして詐欺師達は、頃合いを見計らって雲隠れします。
「ハッキングに遭いました」
「サーバーメンテナンス中です」
などと言って時間を稼ぎ、ある日突然出金を停止させます。
「儲かる投資案件」だと多くの人が騙されているのを尻目に、詐欺師達は集めたお金を持っていなくなるわけです。
ポンジスキームだと分かってて勧誘する詐欺師もいる
このようにポンジスキームにお金を出すと、詐欺師にお金が吸い上げられます。ポンジスキームは、参加するだけでも社会的に悪影響を与える仕組みと言っていいでしょう。
参加するだけならまだしも、勧誘する側に回ってしまったら最悪です。良かれと思って周りの友人・知人に勧めていたのに、それが被害者を増やす行為になってしまうわけですね。
本当に良いと思って勧めていたなら、まだ救いようもあると思うのですが、中にはポンジスキームだと分かっていて勧める人もいます。完全にアウトです。場合によっては、普通に捕まります。
そして「ポンジスキームでも初期に始めたら儲かる」と言って勧誘するメンタルがクソの人間も実際にいるのです。私は、ポンジスキームと分かっていながら、自分が儲かるために勧誘している人を見ると虫唾が走ります。
確かにポンジスキームは、初期に始めるとプラスになることがあります。
なぜなら高配当の案件ですし、ポンジスキームも破綻するまで1年以上掛かることもありますから。場合によっては10年以上継続するポンジスキームもあります。
初期に始めて、さらにマルチ商法の仕組みであれば勧誘することで多くの報酬を得ることもできるでしょう。
しかしポンジスキームの場合、その報酬で受け取っているお金は、末端の被害者のお金です。そして、自分が勧誘して組織を広げれば広げるほど、自分が高収入を得れば得るほど、末端の被害者は増え続けます。
彼らはその事実を分かっていながらやっているのです。はっきり言って、自分だけが儲かればいいと思っているようにしか思えません。人としてどうかと思いますね。
詐欺師はすぐに論点をズラす
基本的に詐欺師は悪質です。彼らの傾向として見られるのは「すぐに論点をズラすこと」です。
例えばですが「●●という理由でおかしい」とこちらが理由と根拠を提示しても「お前は何も分かっていない」「詳しい話を聞いてから批判しろ」と言って、煙に巻こうとする方が多いです。
こちらが理由を述べた上で批判しているのに、その論点を強引にズラそうとします。それが詐欺師の特徴の一つです。
詐欺師はすぐに責任転嫁する
こちらが「あなたの広めている案件はポンジスキームだ」と伝えると「アンチが叩くから事業の足を引っ張られている」「ハッカーのせいで事業が止まった」などと、矛先を強引にズラそうとします。
つまり「責任転嫁」をしてくるわけですね。
プラストークンが出金停止になった時も、勧誘していたメンバーは「ハッカーが悪い」「アンチが悪い」「プラストークンを貶めようとしている集団がいる」などと言っていました。
ハッキリ言って妄想も入っていると思いますが、基本的には自分達に矛先が向かないように、ハッカーやアンチのせいにするのです。
私も高配当型ウォレットに関しては大のアンチですが、責任を押し付けられるのは納得できません。
そもそも詐欺案件を始めた運営が諸悪の根源ですし、勧誘者も加害者側です。運営が詐欺案件を作らなければ被害者は生まれていませんし、リーダーが広めなければ被害は拡大していないわけですから。
しかし彼らは、その点については一切触れません。人によっては、自分が悪いことをしていると感じていない人もいます。そうなると重症と言っていいでしょう。
さらに悪質なことに、彼らは自分達に矛先が向かないように信者化したメンバーを操ってきます。「ハッカーのせいで事業が失敗した」「アンチの妨害活動のせいだ」と言って先導するわけですね。
勧誘している人の一定数は、洗脳状態(信者)になっています。ですから、会社の発信や上位層のリーダーの発言を鵜呑みにして「アンチ許せない!」と噛みついてくるのです。
さらには「ハッカー許せない」「プラストークンを攻撃してくる謎の集団許せない」と架空の敵に怒りをぶつけるようにもなります。
ここまでいくと、オウム真理教と変わらないですね。「公安当局の陰謀だ」と言うのと、本質的には変わらなくなります。
人は洗脳されると、自分が洗脳されていることに気づきません。その価値観があたり前だと思って受け入れてしまっているからです。
ですから、こちらがいくら正論を述べても、相手にとっては「アンチの的外れな発言」にしか聞こえないわけですね。
こうなってしまうと、言葉は通じるのに話が通じない状況が生まれます。もうお手上げです。
詐欺師はすぐに手のひらを返す
詐欺的な案件を勧誘するリーダーの中には「詐欺だったら被害者には自分がお金を返す」と言う人もいます。それが本当であれば、責任を負って勧誘しているわけなので素晴らしいと思います。
しかし、いざ出金停止になったら「投資は自己責任」と言って、瞬時に手のひらを返してきます。
その変わり身の早さと言ったら、怒りを通り越して呆れてしまうほどです。よほど性根が腐っていなければ、そんなことできないと感じてしまいます。
詐欺師はすぐに逃げる
最後に付け加えると、言うまでもないと思いますが、詐欺師はすぐに逃げます。責任を取ろうなんて一切考えていません。
始める時は散々良いことを言いますが、いざ旗色が悪くなると伝家の宝刀「投資は自己責任」を使ってきます。
確かに投資は自己責任だとは思います。しかしそれは、真っ当な案件だった場合です。詐欺案件だった場合は当てはまりません。なぜなら、最初から出資者をハメる意図があって行われていることだからです。
悪質なポンジスキームは、運営はもちろんのこと勧誘している人も捕まることがあります。ですから「この案件怪しい」と思ったら、その証拠となるものを用意しましょう。
例えば、勧誘者とのやり取りを録音する。セミナーの内容を録音するなどです。証拠となるものがあれば、いざ詐欺だと発覚した時に行政や国税も動きやすくなります。
ご自身を守る武器にもなりますので、面倒くさがらずに記録を取るクセをつけてくださいね。
・ポンジスキームは初期に始めれば儲けられると言って勧誘している人は、完全にモラルゼロ。それで自称投資家を謳う人もいるので要注意。
・詐欺師の特徴は「論点をズラす」「責任転嫁する」。
・詐欺師は始める時は良いことを言う。しかし旗色が悪くなると、すぐに手に平を返す。
・怪しい案件に勧誘されたら、録音などで記録を取っておくこと。
あたり前の話ですが、ポンジスキームを広めるのは違法です。罰則対象です。
ポンジスキームだと分かってて広めた場合はもちろん、知らずに広めた場合も罰則対象です。「故意」ではなくても「過失」として罪に問われることがあります。
法律を理解していない勧誘者は「私も知らなかったから被害者だ」と言いますが、そんな理屈は通りません。交通事故で人を轢いてしまったら「知らなかった」と言っても罪に問われますよね。それと同じです。
こちらの記事をご覧くださっている方は、くれぐれもお気をつけ頂きたいです。世界から少しでも詐欺被害が減ることを心から祈っています。
WEBコピーライター
小川 晃司