今回は行政からも注意喚起が出た「モノなしマルチ商法」について取り上げていきます。
これから先も「モノなしマルチ商法」を勧誘する人が出てくると予想されますので、今回の記事をきっかけに対策して頂きたいです。
モノなしマルチ商法の実態
近年「モノなしマルチ商法」で被害を受ける(損する)人が急増しています。仮想通貨が広まり始めたことも、モノなしマルチ商法の被害が拡大している要因になっていると考えられます。
マルチ商法は別名「ネットワークビジネス」や「マルチレベルマーケティング(MLM)」などと呼ばれています。
そもそもマルチ商法は「商品があること」が前提のビジネスモデルです。商品がないと「ねずみ講」になってしまうので、日本の法律では禁止されています。
ねずみ講とマルチ商法の違いについては、別の記事でもまとめていますので、そちらを参考にしてください。
大前提として「ねずみ講」は違法。「マルチ商法」は違法ではないとされています。
ここまでを押さえて頂いたら、いよいよ本題に入ります。
近年「モノなしマルチ商法」が流行っており、損をする方が急増しています。以下の記事は、NHK NEWS WEBから抜粋したものです。
全国の消費生活センターに昨年度寄せられた、1万件余りの「マルチ商法」に関する相談。
その半数以上は、モノの販売ではなく、もうけ話や投資などを持ちかける「モノなしマルチ商法」で、特に若者からの相談が急増しているとして、国民生活センターが注意を呼びかけています。
昨年度、全国の消費生活センターに寄せられたマルチ商法に関する相談は1万526件で、そのうち半数以上の5490件は、モノの販売ではなく、もうけ話や投資を持ちかけ、友人を紹介すれば紹介料が得られると勧誘する「モノなしマルチ商法」でした。
こうした相談は、特に20代以下の若者から寄せられるケースが増えていて、昨年度は2481件と、4年前の3倍近くになっています。
なかには友人からの紹介ではなく、カフェで突然声をかけられて勧誘されたり、消費者金融で130万円を借りて代金を支払ったりしたケースもありました。国民生活センターは、こうした「モノなしマルチ商法」は、事業者の実態やもうけ話の仕組みが不明なケースが多いとして、安易に契約しないよう注意を呼びかけています。
国民生活センターの福井晶喜課長は、「友人からの紹介を断って相手との関係を悪くしたくないなどと考えると、断りにくい状況に陥りやすくなる。あいまいな返事はせず、契約する意思がなければ、最初から断るようにしてほしい」と話しています。
※NHK NEWS WEBより抜粋
このようにニュースでも取り上げられるくらい、注意喚起がなされるようになっているわけです。
上記のニュース以外にも、注意喚起がなされています。
※資料1
※資料2
※独立行政法人 国民生活センターが発表している資料
資料を見ている限りでは、商品に関する相談よりも、ファンド型投資商品や副業などの「役務」に関する相談が急増していることが分かります。
つまり商品のあるマルチ商法から、商品のない「モノなしマルチ商法」が台頭していることが資料から見て取れますね。
モノなしマルチ商法=ねずみ講?
先ほどもお伝えしましたが、商品がないマルチ商法の仕組みは「ねずみ講」です。
仮に商品がないとしても、支払った金額に値するサービスや対価を受け取れるのであれば、ねずみ講ではなくマルチ商法と呼ぶことはできます。
しかし近年台頭しているモノなしマルチ商法のほとんどは、ねずみ講と言えるくらいお粗末な仕組みです。支払った金額に対して、正当な対価を受け取ることもなく、仕組み自体が破綻するケースが後を絶たないからです。
私は、近年多くの被害者を生み出している「仮想通貨マルチ」や「高配当型ウォレット」は99%詐欺だと考えています。その理由については、他の記事でも詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
モノなしマルチ商法にはお金を出さない
一番大切なのは、モノなしマルチ商法にはお金を出さないことです。それが最も賢明な判断と言えます。お金を出しても損するリスクが非常に高いですし、詐欺師にお金が吸い上げられてしまいます。
最悪の場合、洗脳されて周りの家族や友人達を巻き込んでしまうリスクもあります。多くの方が考えている以上に、マルチ商法は怖い仕組みなのです。
くれぐれもお気をつけくださいね。
・モノなしマルチ商法は、ねずみ講である確率が極めて高い。
・モノなしマルチ商法には、お金を出さないこと。
・仮想通貨マルチや高配当型ウォレットは、モノなしマルチ商法の代表格。
最後に一点お伝えしたいのが、私が発信している情報は、決して被害者を煽るためではありません。加害者に向けて「あなた達の言い分はおかしい」ということを伝えています。
そして詐欺の実態を広めることで、行政などにも重い腰をあげてほしいと願って拡散しています。詐欺案件が広まってしまうと、詐欺師にお金が吸い上げられるだけではなく、沢山の被害者が生まれてしまいます。
ですから信者からのバッシング覚悟で、日々情報発信をしているわけです。被害者の方にとっても、多少癇に障る部分があると思いますが、どうかご理解頂けましたら幸いです。
WEBコピーライター
小川 晃司