【第8話】実録!ネットワークビジネス(マルチ商法)体験記

【第8話】実録!ネットワークビジネス(マルチ商法)体験記

【前回の話】第7話

再び訪れるビジネスの停滞

M社のビジネスの伸びるスピードは、A社の時よりも圧倒的に早かった。

手応えも感じていた。

しかし、ここにきてまた壁にぶつかってしまった。グループが停滞してしまったのだ。

30人くらいのグループになってから、急にパラパラとやめる人が現れ始めたのである。

最初は「こんなこともあるか」くらいに考えていた。

しかし、やめる人のペースが僕の想定していたペースをはるかに上回るものだった。

「えっ、どんどんやめていく…」

「ちょっと待って、ちょっと待ってよ!」

新規のメンバーを獲得してもザルで水をすくっているように、こぼれ落ちていく。

僕はまたしても、ネットワークビジネスの奥深さを体験することになった。

やめていく人に「やめる理由は何ですか?」と聞いていくと

「製品代が高い」

「健康ジュースに1万数千円使うくらいなら、遊びに行きたい」

このような意見が多かった。

なるほど。

確かに、冷静に考えていくと、毎月13,500円~15,000円の健康ジュースを飲み続ける人は、20代では少ないだろう。

僕が伝えていた方の大半は20代が多かったので、健康に対する意識は年配の方よりも低かった。

僕はビジネスをやっている立場だったので「月13,500円の固定費でビジネスができるなんて安い」と思っていた。

しかし、これはあくまでもビジネスをやる人間の目線で、ユーザーはそう思っていないことを突きつけられる結果となった。

信頼している仲間も収入が取れない

こうしてM社のビジネスもグループが伸びなくなってしまった。

マジかよ…

せっかくM社では仲間にも収入を取らせてあげられると思っていたのに。

一緒に動いているビジネスパートナーもいた。

自分が収入が取れないこともしいが、仲間の収入が増えないことも心苦しかった。

「収入を取らせてあげたい」

そう思っても、僕の実力は全然足りていなかった。

一生懸命新規開拓、フォローをしても末端からグループが崩壊していった。

「どうすればいいんだ」

グループの崩壊を止めることができなかった。

ネットワークビジネスをやっていて地味にメンタル的に突き刺さる言葉がある。

「●年もビジネスやってて、 それだけの収入しか取れてないの?」

これはキャリアが長くて収入が取れていない人ほど言われる言葉である。

最初の一年で数十万、数百万円の収入が取れた方にとっては別に気にならない話題だ。

しかし、長く収入が取れていない人にとっては、ビジネスに対しての自信をどんどん奪い去っていくのだ。

僕もM社を半年ほど続けたが、こうした理由もあって再びメンタルが挫けてきた。

今振り返っても、ネットワークビジネスはつくづくメンタルのビジネスだと実感している。

小川再びめげる

僕はつくづくメンタルが弱いと思う。

M社のビジネスを始めて半年が経とうとしていた頃、再び僕のモチベーションは下がってしまった。

元々、心から好きだと思えるビジネスモデルではなかったが、それにしても挫けるのが早過ぎる。

ビジネスパートナーも活動をしなくなっていき、僕も次第にミーティングに出ないようになっていった。

ミーティングに出なくなると、Hさんとも連絡を取る頻度が極端に下がっていった。

たまにHさんから電話が掛かってくるが、ビジネスが停滞している時にアップラインからの電話は出たくない気持ちになる。

電話には出ていたが「最近はどうだ?」と言われても、ビジネスが進んでいないので「前と変わらずです」としか言えなかった。その時は、いつも気まずい気持ちになった。

電話で話をしている限りでは、Hさんも伸びてるグループに関わっていて忙しい様子だった。

本当は喜ぶべきところなのだが「まぁ、僕には関係ないし」と卑屈になっている自分がいた。

「どうせできないなら、うまくいってる人を見ても傷つくだけ。

 だったら、見ない方がいい。その方がずっと楽だ」

うまくいっている人を羨ましいと思いながらも、クサイ物に蓋をするように気持ちは「逃げ」の選択を取っていく。

こんな自分嫌だなと思っても、心の底から湧き出てくる負の感情は消えなかった。

僕はそのまま、ズルズルとフェードアウトしていったのだ。

小川、ネットワークビジネスを再び嫌いになる

M社のビジネスをフェードアウトした時期は、メンタル的にかなりやさぐれていた。

「もうネットワークビジネスなんて関わるものか」と思っていた。

ネットワークビジネスに二度も挫けた僕は、ネットワークビジネスに嫌悪感を抱くようになっていった。

「こんなの難し過ぎる」

「俺には無理だ」

ネットワークビジネスは、うまくいかない人のほうが圧倒的に多い。

しかし実際に結果を出している人も目の前にいたはずなのに…

僕は、自分に言い訳をしてM社のジュースを飲むだけの愛用者に成り下がっていった。

ネットワークビジネスへの負の感情と共に…

・・・・・・・・

それではここで、M社でビジネスをした際に感じた気づきをまとめていきたい。

A社の時と同様に重要だと感じたところだ。

ぜひ参考にして頂きたい。

M社での気づき

気づき1:マーケットとのニーズの不一致

ここは非常に大切なポイントの一つである。

市場に投下する製品がターゲットのニーズに合っているかきちんと見極めなければ、どんな事業もうまくいかない。

M社のビジネスをしている時、自分の年齢は26歳であった。声をかけた人は、20代中盤の方が圧倒的に多かった。

そしてM社が日本に上陸したばかりの頃は、健康ジュースしか製品がなかったのである。

確かに、製品のラインナップが少ないと説明しやすいし話も楽である。ただ、製品の種類が少ないと提案の幅が狭くなり、見込み客のニーズに合う製品が無いケースが増えてくる。

20代中盤の若い層が、健康食品だけに毎月高いお金を払いたい続けたいとはなかなか思わない。

1万5千円あれば、札幌なら何回か飲みに行ける金額である。

「健康に1万5千円投資するより友達と遊びたい」

そんな声が特に女性から多かった。

気づき2:若い女性は健康食品よりも化粧品

ほかにも、健康ジュースにお金を出すなら化粧品で良い物を買いたいと言う方もいた。

女性はサプリメントよりも化粧品にお金を使いたがる傾向が強いと思う。

思考が全然違うと思った。

しかしネットワークビジネスは、女性の参入率の方が高いことを考えると、女性の意見を汲み取れない会社は長く続かないことになる。

そのことに気づくのはもっと後の方になるのだが、当時の僕は分かっていなかった。

本来であれば、美を保つために内側7、外側3と言われるように食べる物に気を使う方が良いとされている。

しかし、理屈で言ってもなかなか女性にはピンときていなかったと思う。

化粧品は、使ったらすぐに美しくなれるイメージがある。

でも健康食品は、食べてすぐに目に見える結果が出る物ではない。

女性はイメージを大切にして、男性は理屈を大切にする傾向が強いのかなと感じる。

気づき3:リピート率の重要性

ここだ。僕が一番強く訴えたいポイントは。

ネットワークビジネスでは

「絶対にリピート率が高い会社を選んだ方が良い」

これは鉄則である。

大切なのでもう一度言おう。

「絶対にリピート率が高い会社を選んだ方が良い」

本当にそう実感している。

ネットワークビジネスでは継続性、つまりリピート率が低ければ、いつまで経っても収益が安定しない。

ネットワークビジネスは、新規会員がやめていく会員よりも多ければ、ビジネスは拡大していく。

これはあたり前だ。

しかし「なぜ、やめていく人より新規会員の方が多くできるのか」と考えて頂きたい。

その答えが「リピート率の高さ」なのだ。

どんな仕組みでも、ある一定割合のお客様はサービスを使わなくなる。

リピート率が100%に近いの仕組みは、電気・ガス・水道などのインフラ関係くらいではないだろうか。

携帯電話もインターネット回線も、より良いサービスが出てきたらそちらに乗り換えられてしまう。

現に僕は、新規会員よりも、やめていく会員数が多かったためビジネスを伸ばすことができなかった。

M社のビジネスではリピート率の大切さを嫌というほど痛感した。

気づき4:商品単価が高過ぎるとキツイ

これは僕の年代とも関係があった話かもしれない。

M社の製品は、20代中盤のマーケットに投下するにはニーズが低い物だった。

そもそも20代は健康な人が多い。基本的に人間は、予防にはお金を出しにくい。なぜなら、緊急性が低いからである。

今すぐ手に入れなくても困らない物は、優先順位を下げてしまうのだ。

20代中盤の人達にとって必要性の低い健康ジュース。

仮に最初は興味を持って購入してくれたとしても、価格と体感の問題で、どうしても継続性は下がってしまう。

これは仕方がないことだと感じた。

大体のネットワークビジネスの製品は、ドラッグストアなどで売っている消耗品と比べると、価格が高い。

全ての会社とは言わないが、ほとんどの会社は価格は高めだと思う。

「品質が良いから高くない」と反論する方もいると思うが、その品質の良さをすぐには実感できない場合もある。

「使ったけどあまり良くなかった」

これはどんな製品でもあり得る話だ。

なぜなら、使用者によって好みも体感も違うからである。

一般の方達は、近くにあるドラッグストアやスーパーで買物をする機会の方が圧倒的に多い。

その製品の価格帯が頭に入っている。

それらと比べると「高い」と感じるのは、仕方がないことだと思う。

気づき5:「今がチャンス信仰」の成れの果て

今振り返って思うのが「モメンタムだから今がチャンス」というセリフを別の視点で捉えると「今が過ぎるとチャンスが無くなる」と言い換えることができるだろう。

確かにどのビジネスも参入タイミングは重要だと思う。

その考え自体は、まだ持っている。

しかし、モメンタム信仰が行き過ぎると良くない。

なぜなら「モメンタムを過ぎてから参入する人は成功できなくなる」と、言っているのと近いからだ。

そうなると、会社が日本に上陸してから年数が経てば経つほど、ビジネスメンバーのモチベーションは下がっていく。

そうなった会社の流通網は、崩壊も早い。

確かにモメンタムの時期は、ビジネスへの興味づけが強いので、力のあるリーダーは比較的簡単にビジネスを伸ばしていける。

しかし、人間というのは、情報の鮮度に敏感な生き物だ。

情報が出回ってくると「あー、聞いたことある」となってしまい、新規獲得の難易度が急激に上がってくる。情報の鮮度が落ちると、興味性も薄れてしまうからだ。

言葉は悪くなるが、情報弱者を狙った考えだとビジネスはうまくいかないと思う。

高い製品力があり、継続性の高い仕組みを構築している会社は、やはり強い。

そういう会社が、ネットワークビジネスでも長く生き残っている。

僕の友人でA社のビジネスをやっている男がいる。その友人は、このご時世でも着実にA社のビジネスを拡大させている。

本当に凄いと思うし、尊敬している。

彼は、今からA社のビジネスをやっても成功できる可能性があると僕に示してくれた。

当然、今からA社のビジネスをやるつもりは1ミクロンもないが。

でも僕の価値観を変えてくれたことは、心から感謝している。

モメンタムに関係なくビイネスを伸ばしているリーダーは現実に存在する。

だからこそ、行き過ぎた「今がチャンス信仰」には疑問を持たざるを得ない。

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・・・

こうして僕はM社のビジネスをフェードアウトしていった。

ビジネスはうまくいかなかったが、ここでも沢山の気づきと経験を得ることができた。

そして、ここからまたしばらくして、事態が急展開を迎えることになる。

友人のホームパーティーに参加をした時、僕は思わぬ出会いで再びネットワークビジネスの世界に引きずり戻されることになるのであった。

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第9話につづく

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