【第7話】実録!ネットワークビジネス(マルチ商法)体験記

【第7話】実録!ネットワークビジネス(マルチ商法)体験記

【前回の話】第6話

翌日。

「ったく。何だったんだよ、昨日のは。」

M社の話を聞いて一晩経ったが、全く気持ちがスッキリしない。

心のどこかに引っ掛かる
Hさんの言葉。

「A社のビジネスは古い」

「モメンタムのタイミングでビジネスに参入した方がいい」

悔しいが、聞いていて納得のできる話だった。

しかし、せっかくA社のビジネスを頑張ってきて、良くしてくれたアップラインの方達もいる。グループのメンバーも少なからずいる。

M社のビジネスを始めると、その方達を裏切ってしまうようで気が引けてしまう。

しかし、このままA社のビジネスを続けていても、ジリ貧だろう。

月30万円稼げるようになるまで、10年掛かる気がしていた。

「成長速度の遅いA社のビジネスを頑張り続ける」

「モメンタムというビックウェーブに乗っかってビジネスを拡大させる」

僕の頭の中には、このような2択のイメージになっていたのだった。

小川、M社のビジネスをやろうと決意する

僕は再びHさんに連絡を取った。

もう一度会って、M社のビジネスをきちんと理解してから決めようと思ったのだ。

この時には、もう気持ちは半分以上動いていたのだろう。

僕はHさんのメイクアップの店舗に伺う約束を取りつけた。

前回来た時もそうだったが、このお店に来ると落ち着かない。

完全に場違いな空気感がある。

「おう、いらっしゃい」

お店の奥からHさんがやってきた。

それから僕は、HさんからM社のビジネスについてじっくり話を聞くことになった。

アマゾンの奥地で採れるミラクルフルーツ

M社の製品は、一言で言うと「健康ジュース」である。

僕が話を聞いた当時の製品は、健康ジュースだけだった(その後ラインナップは増えていったらしいが)

どのようなジュースかと言うと、

アマゾンの奥地で採れるアサイーというミラクルフルーツを使った健康ジュースである。

近年では、アサイー関連の商品を見かける機会もあると思う。アサイーを流行らせるきっかけを作った企業と言ってもよいだろう。

アサイーは非常に栄養価が高く、様々な効果効能が期待できるミラクルフルーツであった。

そんな凄いジュースだったのか…

前回も簡単な製品説明を受けていたはずだ。しかし、全然覚えていなかった。

騙し討ちをくらったこともあり、防衛本能が働いたのだろう。

前回、頭に入らなかったことも冷静に話を聞くとよく理解できた。

報酬プランは「バイナリー」という右と左にグループを伸ばしていくものだった。

バイナリーのプランは、M社で初めて聞いた。

A社のブレイクアウェイとは全然別物のプランだと思った。

※プランの詳細については割愛

それにしても、話を聞けば聞くほど
凄い会社だと感じた。

ある年の成長率が、

1.Google
2.M社
3.インテル

という急成長ぶりだ。

こんな会社が日本に上陸したなら、絶対に流行るはずだ。

そう思ってしまった。

「可能性の大きな会社でビジネスを伸ばしていきたい」

Hさんの話を聞いて僕はビジネスをやる決意をした。

騙し討ちをくらって気分は良くなかったが、そこはグッとのみ込むことにした。

しかし、M社のビジネスをやると決めた瞬間に、次の悩みが僕の頭をよぎった。

A社のビジネスで関わってきた皆さんには、なんて説明をしたらいいんだろう。

本音では言いたくなかった。

メンバーの期待を裏切ってしまうのが目に見えていたからだ。言うのは心苦しかったが、言わずにいるわけにはいかない。

僕はまず、G君に連絡をして自分の気持ちを伝えることにした。

G君への報告

G君との待ち合わせ当日。

もうどこで会ったかは忘れてしまったが、札幌中心部のカフェで話をしたはずである。

G君がお店にやってきた。

当然、G君は僕がA社のビジネスをやめようと思っているなど知るよしもない。

僕を見つけると、G君は笑顔で駆け寄ってきた。その笑顔が僕の罪悪感をより一層掻き立てた。

何だかんだで、僕はG君には結構期待されていた。

グループは伸びていなかったが、アポイントも取るし、直紹介もコツコツと出していく。ミーティングへの出席率も非常に高かった。

そういう姿勢をG君は買ってくれていたのだ。罪悪感が押し寄せてくる。

ヤバい、帰りたい。

G君は僕の前に笑顔で座った。

そして「コウジさん、今日はどうしましたか?」と尋ねてきた。

このタイミングで言うしかない。

「実はね……、A社のビジネスをやめようと思っているんだ」

G君の表情が一瞬にして険しくなった。

「それはどうしてですか?最近もがんばって動いていたのに。何かありました?」

「違うビジネスをやろうと思っているんだ。M社って聞いたことある?」

「いえ、聞いたことないですね」

「新しくアメリカから上陸した会社なんだけど、その会社のビジネスをやろうと思ってるんだ」

「・・・・・・」

G君の言葉が止まった。

そして少しの沈黙の後、G君は再び口を開いた。

「なぜ、M社のビジネスを?A社のビジネスとの違いは何ですか?」

「一言で言うと、タイミングかな。これからM社のビジネスが伸びると思ったんだ。俺にはA社のビジネスは難しいよ」

正直に、思っていることを伝えた。

「そうですか。分かりました。Oさんには僕から伝えておきます」

「そっか、ありがとう」

「話はこれだけですか?」

「うん、そうだね」

「それなら、僕はこれで失礼します」

用件を伝えると、G君はすぐに帰ってしまった。

当然か。ほかに話すことなんて無いもんな。

何はともあれ、G君にきちんと伝えられて良かった。

きっと、これから気まずくなってしまうんだろうけど。

こうして僕は、M社のビジネス活動を本格的にスタートすることになるのであった。

小川、M社のビジネスをスタート

A社でアポイントの取り方や繋げ方を学んでいた僕は、M社のビジネスを比較的スムーズにスタートすることができた。

基本的には、A社の時とやることは変わらない。

アポイントを取り、Hさんに繋ぐ。どんどんアポイントを取り、Hさんに繋いでいった。

正直、A社の時と比べて圧倒的に伝えやすかった。

そもそもM社のことを知らないひとがほとんどだ。

「なに、それ?」という真っ白な状態なので、こちらで興味づけさえできればHさんに繋ぐのは難しくなかった。

こうして僕は、M社のビジネスに力を入れていくのであった。

小川一気に紹介を伸ばす

ビジネスをスタートさせた僕は、順調に紹介者を出していくことができた。

その要因は大きく言うと2つあると思う。

一つは、M社のビジネスがA社と比べて伝えやすかったこと。

M社の製品はアサイーの健康ジュースしかない。

話をする側としては、沢山の製品があるよりも圧倒的に伝えやすかった。

そして2つ目は、僕自身が自信を持ってビジネスを伝えられたこと。

この2つの要因が大きかったと思う。

特に自信があることは、相手の心にも響きやすい。

僕はM社のモメンタムの時期にビジネスに参入できて、本当にラッキーだと思った。

こうして僕は、Hさんの力を存分に借りながら、グループ人数を一気に30人程度まで拡大することができたのだった。

A社で一年数ヶ月掛かっても出来なかったことが、M社のビジネスでは2~3ヶ月ほどで出来てしまった。

トップリーダーからすると非常に遅いペースかもしれないが、僕にとっては確かな手応えだった。

こうして僕のM社のビジネスは好調な滑り出しで発信した。

このペースで伸びていけば、一年後には数百人のグループになっているかもしれない。

基本的にネットワークビジネスで200~300人のグループ人数がいれば月収で30万円以上になる。

そうすれば、M社のビジネスだけで生計を立てることも十分可能である。

A社の時とは違い、グループの中にもビジネス意識のある人が出てきた。

「今度はイケるかもしれない」

そう感じていた。

しかし、喜んでいたのも束の間。また新たな問題が浮上してきた。

ネットワークビジネスに慣れていない僕にとっては、いつも何かしらの問題が浮上してくる。

新たに出てくる壁によって、僕のM社のビジネスは、暗礁に乗り上げてしまうのだった。

・・・

・・・

第8話につづく

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