【第9話】実録!ネットワークビジネス(マルチ商法)体験記

【第9話】実録!ネットワークビジネス(マルチ商法)体験記

【前回の話】第8話

ネットワークビジネスの成功に必要な要素。

現役でやってる方は、考えたことがあるだろうか?

どんなビジネスもそうだが、ガムシャラにやれば良いというものではない。

成功し続けるためには、ビジネスの本質を押さえなければ、長続きしないのは目に見えている。

ネットワークビジネスも例外ではない。

成功し続けるために必要なポイントがある。

しかし、重要なポイントはそれほど多くはない。

ネットワークビジネスを分解して考え、ビジネスの本質に当てはめていけば、自ずと答えは見えてくる。

しかし当時の僕には、ネットワークビジネスの成功に必要な要素が理解できていなかった。

頭は悪い方ではないと思うのだが、ビジネスセンスはない。

つくづく凡人である。

しかし、そんな凡人でも真面目に取り組んで年数を重ねていけば、ある程度のことには気づける。

M社のビジネスにめげた僕は、今後の人生に悩みながらも落ち着いた毎日を送っていた。

あの出会いがあるまでは……

M社をフェードアウトしてから…

M社の活動をフェードアウトしてから、僕は普通の会社員として働いていた。

その頃は、セールスマンから通販会社のコピーライターとして転職したばかりの時期だった。

結局、今もコピーライターとして活動しているが、その頃はもっと不安定だった。経済的にも、メンタル的にも。

僕はネットワークビジネスだけではなく、色々なビジネスに立ち上げに関わり、沢山の失敗を経験してきている。

働いていた会社の倒産は2回経験しているし、事業の立ち上げで失敗したことは片手では足りないだろう。

普通の人なら、諦めていてもおかしくないと思う。でも、僕は諦めたくなかった。いや、諦められなかった。

僕は、心のどこかで常に『不安』と『渇望』を抱えていたからだ。それは「将来に対しての不安」、そして「自由への渇望」である。

特に僕は、これらの感情が強かったのだと思う。

将来に対して不安があるから「何かしなければ」という衝動に掻き立てられる。

そして「縛られたくない!経済的に自由になりたい!」という渇望があるから、ネットワークビジネスを選択していたのだろう。

僕が望んでいる未来は、会社員として働いているだけでは、手に入れるのが極めて難しい。

だから僕は、傍から見ると「何やってるんだろうね、小川は」と思われる道を歩み続けてきたのだ。

その道が望む未来に繋がると信じて。

・・・

・・・

ネットワークビジネスを続けていると、人との繋がりは増えていく。

意図的に人との繋がりを増やしていくビジネスなので、新しい出会いもある。

そして、当時大変お世話になったダイビングショップのオーナーさんがいた。

(ここからはIさんと記載)

Iさんは過去に数社ネットワークビジネスをやったことがある経験者だ。

僕の取り組んでいたM社にも登録していたことがあると言っていた。

出会いは、僕から一方的にコンタクトを取ったのだが、快く関係を築いてくれた。

今はネットワークビジネスからは身を引き、ダイビングの事業に力を入れているようだ。

僕もM社のビジネスからフェードアウトしていた時期だったので、ビジネスは関係なく仲良くして頂いていた。

そしてIさんは、ダイビング関係のお客様を集めて、定期的にホームパーティーを開催していた。

僕もIさんに声をかけていただき、そのホームパーティーに参加することになったのだ。

人のホームパーティーでの転機

僕はIさんからホームパーティーの数日前に「新しいネットワークを始めようと思っている」と軽く話をされていた。

その時の僕は「そうですか」くらいの感覚であった。

Iさんは積極的にビジネスをするつもりはなく、周りの人に軽く話を振るくらいの感覚で取り組むようだ。

Iさんが話をしていたネットワークビジネスでは、

・製品代が安い
・毎月のリピート率が94%

というのが、強く印象に残る特徴であった。

通常、ネットワークビジネスの製品は、スーパーやドラッグストアで売られている製品よりも高い。

しかしIさんが話をしている会社の製品は、ドラッグストアの価格帯に合わせたラインナップなのだという。

それが本当なら魅力的だ。

そして一番驚いたのが、リピート率が94%あるという話だ。

「リピート率が94%!?マジ?」

とてつもないインパクトだったが、正直「本当か?」と半信半疑でもあった。

「A社でもM社でも、そんなに高いリピート率で製品は流通しなかった。ネットワークビジネスで、そんなに高いリピート率が本当に可能なのか?」

率直に、このように思った。M社のビジネスでリピート率の大切さは痛感していたものの、それが実現できるイメージが全然湧いてこなかったのだ。

どの道、僕はビジネスをやるつもりが全然なかったので「そんな会社あるんだな」くらいに思っていた。

Iさんからは、今度紹介者を繋げるから話を聞いてみてと言われた。

話を聞くくらいなら、別に断わる理由はない。

しかし、日程などは決まっておらず、僕もタイミングが合えば話を聞くくらいの軽い感覚であった。

このようなやり取りがホームパーティー前に行われていたのだった。

・・・

・・・

ホームパーティー参加のためにIさん宅に伺った。

参加者は10人以上いたと記憶している。

僕は到着すると入口近くのところに座ったのだが、そこで僕はあることに気がついた。

「隣に座っている方の迫力が凄い」

僕が座ったところの隣に、メガネをかけた体格の良い男性が座っていた。

その方が、言葉で表現しにくい異様な迫力をまとっている。骨格というか、体のフレームも僕とは全然違う。

生命力の強さが、話さなくても伝わってきた。

「この人は一体何者なんだ?」

大げさに聞こえるかもしれないが、本当にそう思ったのだ。

そしてその方は、隣に座った僕に早々に話しかけてくれた。

「君が小川君?」

「はい、そうですけど」

「I君から少し話を聞いてるよ。M社のビジネスをやっているんだってね」

その時、この人がIさんが言ってたネットワークビジネスの紹介者だとすぐに理解した。

「そうですね。でも、もう動いてないです」

「実は、私もM社のビジネスをやっていたんだよ」

「へぇー!そうなんですね!」

「本格的にはやってなかったけど、製品を口コミしたらグループが出来てしまってね」

「すごいですね」

話を聞いていると、その方は中古車の販売や修理など車関係の事業をしている方だった。

(ここからはSさんと記載)

Sさんは、某自動車ディーラーに就職後、3年間連続でトップセールスを叩き出し、最年少で店長に昇格。

それから北海道地区のエリアマネージャーとして活躍後、独立。

独立して10年間、車屋さんとして事業を存続させているとのこと。

すごいキャリアだな…

本業である車屋のビジネスモデルを聞いたが、とても考えられている仕組みだと感じた。

そのSさんが事業について、色々と話を聞かせてくれた。

「小川君。ビジネスを成功させるために大切なポイントが何だか分かるかい?」

「んー、なんでしょうか。色々あるとは思いますが…」

「リピート率だよ」

Sさんは、そう言い切った。

「リピート率ですか?」

「そう、リピート率。リピート率が高いとお客様が毎月積み上がっていくから売上が安定する。新規開拓ばかりに追われなくても、既存顧客が売上を支えてくれるからね。

リピート率の低いビジネスをやると、毎月ゼロから売上を作るようなものだから、本当に大変だよ。周りで会社を潰している経営者は、リピート率が低いビジネスに一生懸命になって、赤字を垂れ流し続けた人たちばかりだよ」

なるほど。

リピート率の大切さは、M社のビジネスをやって僕も痛感していたところだ。

継続性の低いビジネスモデルは、がんばってもがんばっても収益が安定しない。

さらにSさんは話を続けた。

「M社のビジネスは、リピート率が低いよね。製品単価が1万5千円の健康ジュースをずっと飲み続ける人って、どれくらいいると思う?」

「それは少ないと思います」

「そうだよね」

確かに。Sさんの言う通りである。

「でも私が今取り組んでいるビジネスだと、毎月のリピート率が94%あるんだよ」

「その話はIさんから聞きました。仕組みはネットワークですよね?でも製品単価が安いと聞いてます。

安い製品だったらコミッションの金額も低くなると思うので、ビジネスとして稼げる気がしないのですが…」

「それは、リピート率の高さで解決する話だから大丈夫だよ」

なるほど。そういうものなのか。

「小川君、私がやっているビジネスの話を聞かせてあげるから、近々時間作れるかい?」

「えっ!あっ、はい。」

思わず「はい」と言ってしまった。

どんどんSさんの話に巻き込まれていく。それくらいSさんの迫力は凄まじかった。

なんと言うか、ドラゴンボールの『界王券』をまとっているような力強さがある。

ビジネスに行き詰っていた僕は「Yes」以外の返事をすることはできなかった。

こうして僕はSさんから新しいネットワークビジネスの話を聞くことになったのである。

新しい流れに、再び僕は巻き込まれようとしていたのだった…

・・・

・・・

第10話につづく

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