【前回の話】第4話
そんなに良い商品ならお店で売っていないのはおかしい
「そんなに良い製品なら何でお店でも売らないの?」
「ビジネスメンバーに支払われる報酬の原資はどこからくるの?」
ネットワークビジネスをやっていてよく聞かれる質問だ。
ネットワークビジネス未経験者の方も疑問に思ったことがあるのでは
ないだろうか。
詳しく解説していこう。
まずは「そんなに良い製品なら何でお店でも売らないの?」について説明していこう。
その答えは主に2つある。
1つ目は、お店で売るとエンドユーザーが製品を購入する金額が上がってしまうことだ。
ネットワークビジネスでは、商社、代理店、卸売業者などの中間業者を通さないで、直販でエンドユーザーに製品を届ける仕組みになっている。
産地直送の野菜をイメージしていただけると良いかと思う。
近年ではインターネットの普及でメーカー直販の仕組みも増えたが、お店や小売店で製品を購入する流通網は少し違う。
メーカーから小売店までに中間業者が何社か挟まって、物が流通する仕組みになっている。
一般的に缶コーヒーや150円のペットボトル飲料の原価は、10円以下だと言われている。それが中間業者を通すことで中間マージンを上乗せされる。
結果、エンドユーザーの購入価格が上がっていくのだ。
全く同じ品質の製品がメーカーからエンドユーザーの手元に届くまでに、大幅な値上がりをしてしまうのだ。
しかしネットワークビジネスでは、中間流通マージンをカットすることでその分の経費を浮かせている。
そのため一般的な流通よりも原価に割く金額を高くできるのだ。
ネットワークビジネスの販売手法は直接エンドユーザーに製品を届けることから「ダイレクトセリング」とも呼ばれている。
2つ目は、直販にすることで、メーカーからの保証が受けられるということだ。
A社では1年間の満足保証を消耗品全般につけている。
もし購入した製品が気に入らなければ、1年以内であれば購入代金を全額返金しているのだ。
このような保証は、中間業者を通って店頭に置かれた製品では難しいだろう。
例えば、ツル●ドラッグで購入したシャンプーを「肌に合わないから返金してほしい」と言っても取り合ってくれないはずだ。
未開封なら返金してくれるかもしれないが、使ってしまったら通常アウトである。
しかし、きちんとした保証を付けているメーカーから直販で製品を買うとリスクも少なくて済むのだ。
ネットワークビジネスも色々と考えられている仕組みだということだ。
あと、ネットワークビジネスで製品を勧めているビジネスメンバーになぜ報酬分配が行われるのか。
本質的には、メーカーがビジネスメンバーに「広告料を支払っている」と考えると良いだろう。
基本的に製品を作っているメーカーは、エンドユーザーに製品を購入してもらうために莫大な広告費を使っている。
これはどのメーカーにも当てはまることだ。
テレビCMを観ていると分かると思うが、
・自動車
・缶コーヒー
・化粧品
・サプリメント
など。毎日沢山のCMが流れている。
このテレビCMで宣伝するためには、莫大な広告費が掛かるのである。
そして、雑誌やインターネットの広告などでも沢山の企業が自社の製品を広めるため広告に資金を投じている。
なぜなら、開発した製品は「広告しないと絶対に売れない」からだ。
広告しなければ、世の中の誰もその製品の存在を知ることはない。
存在が知られていなければ、その製品を買うことができる人はいない。
知らないから当然である。
ト●タ自動車があれだけの大企業になったのも、想像を絶するほどの広告をし続けたからである。
仮に120円の缶コーヒーが10円以下の原価だとしたら、90%以上の費用は違うところに費やしていることになる。
エンドユーザーが購入する製品代金の大半は、広告費と中間流通マージンだとも言われているのだ。
ネットワークビジネスの仕組みでは、中間流通マージンとメディアでの広告費をカットすることで、ビジネスメンバーへの報酬の原資を捻出している。
ここまで説明すると
「何でお店で売らないの?」
「ビジネスメンバーへの報酬の原資はどこからくるの?」
この二つの疑問は解けたのではないだろうか。
このような理由からネットワークビジネスの会社では、メディアなどで広告を打つことはほとんどない。
A社はたまにテレビCMをやっていたようであるが。
基本的には資金力のある大手が、悪いイメージの払拭のために行うか、そのマーケットのパイオニアだと印象づけるために行っている。
それもより企業戦略の一つなのであろう。
「権利収入がほしい」という囚われ
僕はA社のビジネス活動を通じて「権利収入」が欲しいと思った。
権利収入については前の話でも少し触れたが、簡単にいうと「自分が働かなくても半自動的に毎月銀行口座にお金が入ってくる収益構造」である。
逆に、サラリーマンやOL、パートなど会社に勤めて給与として得ている収入は「労働収入」と呼ばれている。
会社に決められた契約通りに出社し、一定時間は拘束され、会社の仕事をこなす対価として収入が得られるというものだ。
ほとんどの方が、この「労働収入」で生計を立てている。
「権利的な収入」と「労働収入」。
この二つの収入は全く質が異なる。
労働収入は、言い方を変えると時間の切り売りである。
自分が働かなくなったら、すぐに収入が途絶えてしまう。
しかし、権利収入を得られる仕組みを作ってしまえば、仮に自分が働けなくなったとしても収入が入り続けることになる。
通常の労働収入からは考えられない概念である。
権利収入で生計を立てている方達の例を挙げると、
・ビジネスオーナー
・多額の株や債券の配当・金利を得ている方
・本などの印税収入を得ている方
・音楽などの人気アーティスト
・不動産オーナー
・スポーツグッズのライセンス契約をしているスポーツ選手
・人気製品の独占販売権を持っている事業主
このような方達が、自分が働かなくても自動的に収入が入り続ける仕組みを作っている。
資産、才能、ずば抜けた能力、運。
これらを兼ね備えた一握りの方達が、努力の末に手に入れられるのが権利収入なのである。
ネットワークビジネスでは、この夢のような権利収入に近い構造の収益モデルを作ることができる。
非常に魅力的に聞こえる話だ。
しかし僕は、現場を経験していく中で、あることに気がついていく。
ネットワークビジネスで得られるのは、働かなくても自動的に収入が入り続ける権利収入ではなく「報われる労働収入」だということを。そのことに気づくのはだいぶ後の話になる。
このときの僕は、A社のビジネスで心が折れかけていたので、どうしたら良いか分からなくなっていた。
では、これまでのA社のビジネスについて話をまとめていきたいと思う。
A社でビジネスをして気づいたこと
気づき1:伝え方を間違えると友達を無くす
ネットワークビジネスの業界で、よく言われるネガティブワードがある。
それが「友達をなくす」というやつだ。
これに関しては概ね同意だが、厳密にいうとちょっと違うと思う。
前の記事でも少し触れた部分だが非常に重要なところだ。
正しくは「変な伝え方をしたら友達をなくす」である。
そして、もっと突っ込んでいうと
「多くの人が変な伝え方をするから大半の場合は友達とギクシャクする」
このように僕は結論づけた。
客観的に見ていると、ネットワークビジネスをやっても友達をなくしていない人は結構いる。そういう人達を見ていると、多くの場合はビジネスも拡大している。
人間力があり、相手にきちんと情報を伝えることができ、グループのメンバーをフォローすることができる。このような方なら、ネットワークビジネスで流通を伸ばせる可能性は高い。
確かに業界全体を見渡しても、交友関係がギクシャクした方が多いのは事実だろう。ネットワークビジネスが友達をなくしやすいビジネスなのは否定できない。
しかし「ネットワークビジネスをやっている=友達をなくす」と安直に考えてしまうのは早計だと思う。それは思考停止だろう。
友達をなくす人もいるし、逆に友達を増やす人もいる。ビジネスをやっている人次第なのだ。
あと、実際に現場にいる方達の中で「こちらがネットワークビジネスをやっているからと言って去っていく人は友達とは言えない。それは単なる職業差別をしているだけだから。本当の友達なら、きちんと話を聞いてくれる」と言う人もいたけど、その考えも結構微妙だと思う。
なぜなら、友達が去ってしまったのは、単純に職業差別のせいではないかもしれないからだ。
客観的に考えると、不快に思われる伝え方をしたから去っていった可能性が高いのだ。そこを混合しない方がいい。
現場にいる方の中には、事実を都合の良いように解釈し過ぎる方もいるので、何が本質なのか見極める必要があると思う。
気づき2:あなたのためと言っても自分のため
ネットワークビジネスをしていてよく見かける光景が「あなたのためになると思って」と伝えている光景だ。
確かに、心からそう思って伝えている人もいるだろう。実際にそういうリーダーも僕は知っている。
しかし、ビジネスを始めたばかりのかけ出しビジネスメンバーの大半は「あなたのため」と言っても、本心では自分のための場合が多い。そういう気持ちの時は、相手にも伝わってしまうものだ。
お恥ずかしながら、自分も言っていた。
「あなたのためになると思って」
全く思っていなかったかと言われたら、そうではないのだが。
でも動機の9割くらいは、「自分のため」だった。
しかも僕の場合は「人間としての器を磨きたい」というエゴ丸出しの動機でビジネスをはじめているので「あなたのため」なんて言っても相手に響くわけがない。
しかし、リーダーのトークを上辺だけ真似していき、それっぽいことを言っていた。本当に恥ずかしい限りである。
気づき3:全てにおいて自社が一番だと思っている
A社にいて特に顕著に感じたのは「うちが一番」という風潮である。
このようにネットワークビジネスの会社では、ラーメン屋的な考えをしている方が多いと思う。
つまり「うちが一番思考」だ。
しかし、全ての面において一番っていうのは、理屈的におかしいはずだ。
全ての製品が一番。報酬プランも一番。リーダーも一番。会社も一番。ビジネス環境も一番。
いや、あり得ない。
確かにA社は全世界に広まって、世界売上1兆円を超えている超優良企業だ。ネットワークビジネスでは日本の売上No.1を不動のものにしている。
そういった面では、確かに一番である。はっきりいって、めちゃめちゃ凄いと思う。
結局、色々なネットワークビジネスの新興勢力がA社をこき下ろしているが、A社を超えられた会社はいまだかつて一社もないのだ。
実績だけをみていくと、本当に凄い企業だと分かる。そしてビジネスで関わるなら、会社に対して自信を持つことも大切なことだ。
ただ、ちょっと待ってほしい。
A社は渋谷の一等地にどデカイ自社ビルを数百億円で建設している。その自社ビルをみると「なんて凄い会社なんだ!」と感じるだろうが、そのお金はどこから出ているのか?
そして、その維持費はどうやってまかなっているのか?
そこを掘り下げて考えたことはあるだろうか?
確かに渋谷の一等地に自社ビルを建てているのは凄いことだ。
しかし、自社ビルの維持費などは、必然的に製品価格に乗っかっている。これは至極真っ当で、あたり前の話である。
ネットワークビジネスの会社は、売上の原資を大きく分けて以下の3つに振り分けて会社運営をしていくことになる。
・製品開発費&製品原価
・会社運営費
・ビジネスメンバーへの報酬分配金
つまり会社の運営コストが高い時点で、
・製品開発費&製品原価
・報酬の分配金
いずれかの比率は自ずと下がってしまう。
A社は良い製品が多く、手間もかけて製造している。
ということは、製品開発と製品原価にもかなりの原資を割いていることになる。
そうなると報酬の分配比率は、どうしても下がってしまうのだ。
A社くらいの大企業になると、それは仕方がないことだと思うので、批判しているわけではない。客観的に考えてそうなると伝えたいだけである。
それぞれの会社に特徴があり、それを納得したうえでビジネスをしているのであれば、全く問題ないだろう。
僕はいまだにA社は凄い会社だと思っているし、現場のリーダーでも尊敬している人はいる。
会社ごとに特徴があり、A社も優れている点はある。
しかし、A社が全ての面で一番だと考えるのは、現実的ではないとお伝えしたい。
気づき4:ほかの会社のことをほとんど知らない
僕が関わっていたA社のビジネスメンバーのほとんどは、他社のネットワークビジネスの会社のことは詳しく知らなかった。
「A社が一番」と教育されているから、そうなるとは思うのだが。
でも、これだけ色々な会社がある時代なので、他社のビジネスプランくらいは知ってた方が良いと思う。
リーダーという立場なら、そういうのを知ってた方が、プレゼンとかも説得力が出るだろう。比較して話もしやすいはずだ。
とは言っても、ネットワークビジネス業界全体で考えると、A社はビジネスに関する教育体系が一番しっかりしている会社だと思う。
それを外から見ていると「洗脳」というネガティブな言葉に置き換わるのだろう。正直言って、確かにそう思われても仕方がないなと感じるところもある。
その辺りの説明は、非常に難しいところだ。
しかし、人間誰しも何かに洗脳されて生きていると思う。それは会社だったり、家族、友人関係、地域、国、資本主義経済、宗教など。
外部環境に全く影響を受けずに生きている人間は皆無である。
「洗脳」という言葉を使うから悪い印象になってしまうが、どのような教育環境に身を置くか人それぞれ選択していると考えたらどうだろうか。
気づき5:年功序列ではなく「ピン功序列」
A社には、ビジネスの成果に応じて「タイトル」というものがある。
そしてそれを「ピンレベル」という呼び方もする。
「ピンレベルは?」
A社でビジネスをしているとよく聞かれることである。
そしてA社では、このピンレベルによって影響力が全然違ってくる。
僕は、A社に関しては年功序列ではなく、完全に「ピン功序列」の風土があると思っている。
大げさな表現に聞こえるかもしれないが、そんなに外れてはいないはずだ。
気づき6:ビジネスプランは非常に公正性が高い
A社のビジネスプランは、ネットワークビジネス業界では「ブレイクアウェイ」というタイプの報酬プランを採用している。
これは現役メンバーの中にも意外と知らない人が多い。
ねずみ講と誤解されがちなネットワークビジネスだが、A社のビジネスプランは非常に公正性の高いプランで、後に始めた人でも先に始めた人を抜くことは可能である。
よくネットワークビジネスでは「上が儲かる仕組み」と言われる。その通りだ。上が儲かる。
しかし、それの何が問題なのだろう。
全体を俯瞰して考えていただきたいので、まずお客さん視点で分解して考えてみよう。
一般的なビジネスでも営業マンから何かを買えば、売上の一部は営業マンへのコミッションとして還元される。
これと同じように、ネットワークビジネスでも製品を購入した場合、売上の一部は紹介者の報酬になる。
これはあたり前の話ではないだろうか。
経済活動である以上、何かを買う時は誰かにお金を払う。つまり、誰かが儲かることになる。
これに関しては、どこで買い物をして誰にお金を払うかの違いでしかない。
もしあなたの元に仲の良い友人が「ネットワークビジネスを始めた」と言ってきたとしよう。
ビジネスに興味がなければ無理にビジネスをする必要はないが、製品くらいなら買ってあげても良いのではないかと思う。もちろん「必要な物であれば」という前提はつくが。
価格や品質なども考慮して、購入する製品は選ぶ必要がある。
しかし、日用品や消耗品は普段から誰しも使うものだ。使っても良い製品があれば、買う場所を変えるだけで友人のビジネスに貢献できる。
どこの誰が儲かるか分からないドラッグストアで買うよりも、友人が稼げた方が気分が良いと僕は思う。
この辺りは個人の価値観になるので、無理に押しつけるつもりもない。ただ、必要以上に邪険にすることもないと思うのである。
そしてビジネス視点で考えると、ビジネス活動をがんばれば上のリーダーを抜くことだって全然可能である。
そういった点では、僕は一般的な会社よりも公正性が優れていると思っている。
誤解を恐れずに申し上げたいが、一般的な会社の方が圧倒的に上が儲かっている。
一般的な会社は、社長が一番利益を得ているはずだ(そうじゃない場合もあるが)
つまり上が儲かっている。
多くの方は、上が儲かる仕組みで毎日一生懸命働いているのだ。それなのに、ネットワークビジネスの話になると「上が儲かる」と目くじらを立てる。
おそらく先に始めた方を収入面で抜けないという先入観があるのだろう。
安心してほしい。その方のがんばり次第で、いくらでも挽回可能である。
そもそも上の方が儲かるのが嫌なのであれば、ビジネスの話を伝えてきた方と組まなければいいのだ。
おそらく伝えてきた人のことがあまり好きではないから、上が儲かることに過敏になるのだ。
大好きな人と組めば「この人に稼いでもらいたい」という気持ちになるので「上が儲かるから嫌だ」なんて一切考えなくなる。
あと、ネットワークビジネスの報酬分配の仕組みを見て「1人が3人ずつ紹介していったら、17段目で日本の人口を超えますよね。そうなると仕組みが破綻するじゃないですか」と言う方もいるが、そうはならないので安心してほしい。
ネットワークビジネスの会社は、コンプライアンスの関係で
「20歳以上」
「学生ではない」
これらの条件を満たしていなければ、ビジネス活動を行うことはできない。
毎年、大学や高校を卒業する新しい層が出てくるので、マーケットが消滅することはない。
あり得ないが、もし仮に日本中の人がA社の会員になったとしよう。
それでも問題はない。
なぜなら、ねずみ講と違い適正な製品やサービスを提供しているので、末端に被害者が出ることがないからだ。
そうなると、確かにビジネスチャンスは無くなるかもしれないが、仕組み自体が破綻するということにはならないのである。
真っ当にやっているネットワークビジネスの会社には「●●段で日本の人口を超えますよね」という理屈を当てはめること自体がナンセンスな話なのだ。
あと、現場経験者の視点で言わせてもらうと、全ての人が3人ずつ紹介を出すなんて、それこそあり得ない。
紹介する人もいれば、紹介しない人もいる。
ネットワークビジネスは「口コミを活用して流通網を作る仕事」とシンプルに考えた方が、本質が見えるだろう。
気づき7:人間力が磨かれる
A社のビジネスを通じて「人間としての器が磨かれる」は本当だと思った。
トップリーダーを見ていると、人間力が高い方が多いと思う。
逆に言うと、それだけの人間力を身につけたからビジネスを拡大できたとも言える。
僕は途中で尻尾を巻いて逃げたタイプなので、中途半端感は拭い切れない。しかし、ネットワークビジネスで学んだことは非常に役立っている。
ビジネスに取り組んだこと自体は、今は後悔していない。実際に経験できて良かったと思っている。
気づき8:ネットにネガティブな書き込みが多い
ネットワークビジネスの中でもA社は特にネットでネガティブな書き込みが多い会社だ。
一番売上があるということは、一番関わっている人が多いということだ。つまり、マナーの悪いことをすると最も票的にされやすくなる。
実際に、過去A社ではマナーの悪い勧誘活動をしてきたリーダーもいたようだ。
今、現役で頑張っている方は、そのイメージを払拭するためにがんばっているのだろう。
別にA社を庇うわけではないが、インターネットで情報を得る場合は注意した方がいい。
インターネットは匿名性が高いという性質上、ネガティブな情報が多くなる傾向が強い。
全ての情報が嘘だとは言わないが、根も葉もないでっち上げも実際にあるのだ。
基本的に全ての人が良いと思う製品やサービスは存在しない。
どんなに美味しいと言われるレストランでも、好みに合わない人は絶対に現れるのである。
そういうネガティブな体験をした方が、感情をぶつけるためにネットの書き込みを利用するというのは、よくあることだ。
もう少し分かりやすく分解すると、仮に何かの新製品が登場したときは
「上位2割がポジティブな反応」
「中間の6割が可もなく不可もなくという反応」
「下位2割がネガティブな反応」
大まかに、このように分かれることになる。
そしてインターネットに書きこまれる情報は、下位2割のネガティブな情報が集中することが多い。
これが顔の見えないインターネットの怖さでもある。
僕はできる限り現場の声を客観的にアウトプットをしたいと思っているが、そのような方は稀だろう。
嫌な思いをした場合は、感情の赴くままにネガティブな情報を書き綴ることになるだろうから。
気づき9:「夢を叶えよう!」的なキラキラ系トークが多い
近年では、A社のビジネスは20代前半の若者が取り組んでいる場合が多い。
ネットワークビジネスもA社のことも知らない層である。
そんな若者が「こんな凄いビジネスがあるなんて!」とマーケットに参入している。
今の20代前半の若者は、会社に就職しても出世願望が低いと聞いている。
会社に入って1~2年もすると「このままずっとこの会社で働き続けないといけないのか」という現実に直面する。
そんな時に、カリスマ性があって月収数百万円も権利収入を得ているA社のトップリーダーからビジネスの話をされると、カミナリに打たれたような衝撃を受けることになる。
「これで夢が叶う!」
「やりたいことができる!」
「自由な暮らしができる!」
話をするトップリーダーは、沢山の現場経験があるプロなのだから、そう思うのも仕方がないだろう。
交流会やイベントなどで知り合う若者の中に「何か夢とかやりたいことはないの?」と聞いてくる人がたまにいる。
「あっ、もしかして」と思ったら、やっぱりA社のビジネスをやっていることが多い。
「何か夢はないの?」
「どんな夢なの?」
「夢を叶えるために何をしている?」
「やっぱり会社にいるだけじゃ叶わないよね」
「その夢を叶えられる仕事があるんだよ」
という風に話を展開してくる。
今はどうなのか分からないが、僕がネットワークビジネスに関わっていた時期はそうであった。
今はどうなのだろうか。
現場から退くと情報が古くなるから適当なことは言えないが、今でもそういう風に話をしている人はいると思う。
気づき10:近い人ほど反対する
ネットワークビジネスを始めると意外な現実に直面する。
それは、仲の良い友人、家族、恋人など距離の近い人ほど反対するという現実だ。
もちろん協力してくれる場合もあるので、一括りにはできないが。
距離感の近い人の場合
「猛反対するか非常に協力的か」
いずれかのパターンになる場合が多い印象がある。どちらかというと、反対する割合の方が高いと思うが。
それは、別にその人のことが嫌いだから反対しているのではなく、単純に心配だからである。
しかし最初は猛反対していても、自分が真面目に取り組んでいる姿勢を見せていくことで、徐々に協力をしてくれるようになる。
重要なのは、どれだけ真剣に仕事として取り組んでいるかである。
目に見える成果を出せば、周りからの反対も無くなってくる。
結局は、目に見える結果を出すことが一番重要なのだ。
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長くなってしまったが、僕がA社のビジネスで気づいたことをまとめた。
今回は、とても重要な内容を詰め込んだ。
ぜひ、参考にして頂きたい。
今回はA社のビジネスの総括のようになってしまったが、次回は新興勢力M社の勧誘を受けてどのようになったか話を続けていこうと思う。
有益な情報を全力で出していくので、次回も楽しみにしていただきたい。
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第6話につづく