【第13話】実録!ネットワークビジネス(マルチ商法)体験記

【第13話】実録!ネットワークビジネス(マルチ商法)体験記

【前回の話】第12話

ネットワークビジネスでは、全ての人が成功できるわけではない。

多くの方が「ネットワークビジネスで人生を変えたい」と望んでビジネスに参加する。

しかし、大半の方は望みを叶えられずに撤退していく。

残酷だが、それが現実だ。

これは、業界の数字からも読み解くことができる。

購入している製品代(1~2万円程度)が、無料になっている割合で全体の1割程度と言われている。つまり、約9割の人達はほとんど収入が入っていない。

月20~30万円くらいの収入で2~3%。月100万円を超えるのは0.2%。つまり1,000人いたら2人ということになる。当然、会社が変われば数字も変わるので、目安として考えていただきたい。

目安としても、決して無視はできない数字ではだと思う。

ビジネスを立ち上げようと思ったら、実際にはどの業界でもそれなりの努力は必要だ。簡単に稼げるほど甘くはない。

ネットワークビジネスも決して例外ではない。狭き門をくぐり抜ける決意と情熱が求められる。

その事実は決して忘れてはいけないだろう。

Yさんのグループの強さ

ネットワークビジネスは、人と人との繋がりが非常に重要になるビジネスだ。

ビジネス活動を誠実に行っていけば、お客様やビジネスパートナーとの絆も強まっていく。

そして、長期的に拡大しているグループほど、リーダーの価値観が末端のリーダーまできちんと共有されている。

Yさんのグループを見ると、価値観の共有レベルが非常に高い。

Yさん以外のリーダーも、その価値観を基準にビジネス活動をするため、着実にグループを拡大している。

しかし、これは口で言うほど簡単なことではない。

一般的な会社でも、経営理念・考え方・価値観・方向性・意識の高さを末端の社員まで浸透させるのは、容易なことではないだろう。

業績が伸びている会社の多くは、経営者の考えが末端まで浸透している。

経営者が市場に良い製品・良いサービスを広めたいと考えている場合、当然質の高い製品・サービスが生まれやすくなる。

さらにアフターフォローや顧客サポートが徹底されることで、エンドユーザーが受け取れる価値が高くなる。

結果、エンドユーザーへの高い満足度に繋がっていく。

結局は、一人から始まった想いの連鎖が価値ある製品やサービスを世に広めていくのだ。

僕から見ていて、Yさんはカリスマ性で人を引っ張るタイプではない。努力で成功を掴み取った方だ。

はっきり言って積み上げてきた量が半端ではない。

しかし、それは普通の人でもネットワークビジネスで成果を出せる証明になっていると思う。

Yさんを見ていると、まさに「職人」という感じだ。

だからこそ、Yさんのグループでは、価値観を共有して毎年着実にグループを伸ばしているのだろう。

職場の人に伝えるリスク

少し話は変わるが、今働きながらネットワークビジネスをやっている場合、職場の人に話をするのは、極力避けた方がいいだろう。リスクが高過ぎる。

僕はA社でビジネスをしていた時代に、職場の人にA社のビジネスを伝えたことがある。

それが上司にバレてこっ酷く怒られた。

副業禁止の会社であれば、会社の労働規約に則って諭旨解雇されてしまうリスクもある。

※諭旨解雇とは

労働者が解雇に相当する重大な規則違反を犯した場合、懲戒解雇よりも温情的な措置として行われる退職処分。

・・・・・・・・

収入が途絶えてしまったら、それこそ本末転倒である。

目先のリクルーティングに捉われすぎず、まずは職場以外の方達からアプローチをした方が賢明だと思う。

すり減っていくメンタル

F社のビジネスをしていく中で、Yさんが信頼できるリーダーなのは、十分すぎるほど理解できた。

しかし、問題は僕自身だ。ネットワークビジネスに対して、確信・情熱が持てないのだ。

メンタルを切り替えようと思っても、うまくいかない。

確信、情熱が持てないと、リクルーティングする際も相手の心に響かない。

相手の心に響かなければ、当然リクルーティングもうまくいかない。

グループに対しての発言も説得力が出ない。

自分自身のメンタルも少しずつ疲弊していく。

「全然モチベーションが上がらない」

この負のスパイラルに一度陥ってしまうと、本当に厄介である。

僕の場合、ビジネス自体は少しずつ伸び始めていた。

グループ内にもビジネスをやる方が出てきていたし、全体の人数も増えてきていた。

このまま積み重ねていけば、それなりの収入になるかもしれない。

そのようなタイミングであった。

※僕がご紹介した方からのグループは、現在では500人を超えているらしい。

しかしうまくいきそうでも、全然パワーが出ないのだ。

その状態で無理やり気持ちを奮い立たそうとする度、気持ちがツラくなっていく。

しかし、ミーティングやセミナーに参加をすると、元気に振る舞っていなければいけない。

グループのメンバーに落ち込んでいる様子を見せるわけにはいかないからだ。

気持ちは下がっているのに、元気に振る舞うというのが、僕にとってはかなりのストレスであった。

現場で見せる自分と本音の乖離。

「どうしたらいいんだろう…」

僕は出口が全く見えない暗闇でもがいている感覚であった。

結局、その気持ちは退会するまで消えることはなかったのである。

Yさんの連絡にも出たくない

メンタルが落ち込んでくると、アップラインからの連絡も出たくなくなってくる。

Yさんから電話が鳴ると「ビクッ」と反応してしまう。

「んー、どうしよう…後でかけ直そうかな…」

出ようとは思うのだが、鳴っている電話を手に取り、そのままスルーしてしまうこともあった。

気持ちを落ち着かせてYさんに電話をかけ直すのだが「なんで電話無視するの?」とYさんに言われた時は、ドキッとした。

今思うとカマをかけただけだと思うが「家のどこかにカメラでもあるのか?」と思ったものだ。

Yさんくらい現場で人と接していると、僕のメンタル状況も理解していたのだと思う。

携帯が鳴るとビクビクする

このようなメンタル状況になってからは、携帯が鳴る度、ビクビクするようになっていった。

特に悪いことはしていないが、モチベーションが上がらず動けていない自分が申し訳なくなってくるのだ。

Yさんの全面的なサポートのおかげで、グループ自体は着実に伸び続けていた。

「Yさんばかりに負担をかけている」

しかし、思うように動けない自分に罪悪感が大きくなっていく。

ネットワークビジネスのことを考えると気持ちが滅入ってしまう。

数字が伸びても楽しさを感じられない。

これらのことから「僕にはネットワークビジネスは本当に向いていないのかもしれない」と思うようになっていった。

人間、自分の中で結論を出してしまうと、その答えはなかなか覆らない。

こうしてまたしても、僕は徐々にフェードアウトをしていくことになるのである。

Yさんへの謝罪

2~3週間ほどYさんと連絡を取らず、気持ちは引き籠り続けていた。

今振り返っても申し訳ない気持ちになる。しかし、このままではいけない。

僕は意を決してYさんに連絡を取り、直接会う約束を取りつけた。

その時には「もうやめよう」と気持ちを決めていた。

本当にどうしようもないのだが、僕はネットワークビジネスを頑張り続けることができない。

Yさんとは、札幌駅の地下にあるカフェで会うことになった。

珍しく僕の方が先に到着し、Yさんを待った。

「ヤバい、マジで緊張する…」

ビジネスをやめるのは以前も経験しているのだが、これは何回やっても慣れない。

申し訳なさと罪悪感、そして自分への不甲斐なさが込み上げてくる。

少ししてからYさんが到着した。

「あー、言わなきゃいけない」

観念して伝えるべきことを伝えるしかない。

僕は今の気持ちをストレートにYさんに伝えた。

「成果が出そうでも楽しめない」

「メンタル的にすり減ってしまう」

「もう続けられない」

Yさんは、

「それだったら、小川君には向いてないんじゃないかな」

そう言って、僕の話を受け入れてくれた。

こうして僕の4社目のビジネスは、幕を閉じることになったのである。

小川なりの気づき

ネットワークビジネスを4社経験して気づいたことがある。

それは、僕の内面に沢山の問題があったことだ。

いくつか例を出すと「依存心」が挙げられる。

昔の僕は、今よりもずっと自分に自信が持てない人間であった。

当時の僕には自信のなさから出てくる「依存心」があったのだと思う。

だからプロのネットワーカーと繋がり、ビジネスができれば何とかしてくれるはずだと勘違いしてしまったのだ。

この考えでは上手くいくはずもない。

自立した考え方がなければ、どんなビジネスでも長続きしないだろう。

僕は長い物に巻かれることで安心感を得たいと思ったのだろう。

ほかにもある。

僕はネットワークビジネスの話を伝える度に、自分が「卑しい人間」になっていくような感覚に陥った。

多くの方は、この感覚は理解できないことかもしれない。しかし突き詰めると、この感覚が致命的だったと思う。

つまり「相手のため」と思って話ができないのだ。

相手のためになると思えなければ、ビジネスに対する確信が深まるはずもない。

相手のためと思えない 
  ↓
自分ばかりがクレクレ言ってる卑しい人間に感じてしまう
  ↓
疑心暗鬼になり、自信を失う
  ↓
ビジネスに対する確信もできず、メンタルをすり減らし続ける
  ↓
臨界点がきてフェードアウト

おそらく、このような思考プロセスで僕はめげてしまったのだと思う。

僕のようなメンタル状況に心当たりのある方は、ぜひすり切れないうちにリーダーに相談することをオススメする。

一度すり切れたメンタルを元に戻すのは、極めて難しい。

そのことは念頭に置いていただきたい。

・・・・・・・・

それではここから、F社で学んだ気づきをシェアしていく。

ぜひ参考にしていただきたい。

F社での学び

気づき1:成功するには正しいやり方がある

Yさんと一緒にビジネスをして痛感したことがある。

「ネットワークビジネスにも成果を出すための正しいやり方がある」

ということだ。

しかし多くの場合、ネットワークビジネスは友人、知人から話がやってくる。

その友人、知人がネットワークビジネスを熟知しているかというと、ほとんどの場合そうではない。

そういう方と組むと、ビジネスを伸ばすのは非常に難しいだろう。

よく理解していない人からよく理解していない人に情報伝達されていくからだ。

何段か上に信頼できるリーダーがいれば良いが、そうでない場合も多い。

自分の属しているグループには、ビジネスの正しいやり方を示してくれる方はいるだろうか?

そこは冷静に見極めた方が良いだろう。

気づき2:結果を出しているリーダーはめちゃめちゃ働いている

僕の周りには、ネットワークビジネスで毎年収入を拡大している方がいる。

パッと思いつく方はそれほど多くはないが、その方達には共通点がある。

それは、想像以上に働いているということだ。

Yさんが分かりやすいが、本当によく働いていた。

リーダーが現場に出続けてくれることで、グループのメンバーは圧倒的に収入を取りやすくなる。

自分のグループのリーダーが旗を振り始めたら要注意だ。

「みんなもがんばれば俺のように自由になれるよ」

そう言って旅行や遊びにかまけて現場に出なくなったら、ほぼ確実にグループは停滞する。

ずっと現場主義でいてくれるリーダーのグループに入れたら、その人は幸せ者だ。

気づき3:数字を伸ばしているリーダーは、段取り力が半端ない

Yさんは、事前の段取りが半端ではなかった。

会場の設営、席配置、新規の動員数、既存の動員数。誰をどこの席に座らせるか。どのようなタイムスケジュールか。アフターフォローの時間は誰がどのようにフォローするか。など。

綿密に計画を立てていた。

その様子を見ていて「ここまでやってたら、そりゃうまくいくよな」と感じたものである。

長期的に発展しているリーダーは、決してその場のノリや勢いだけでビジネスをしているわけではない。

見えないところで誰よりも脳みそに汗をかいて、段取りをしているのである。

そして自分が主体で動いているリーダーは「グループが動いてくれない」とは決して口にしない。

自分が先頭に立って動き、背中を見せ続けてくれる。

このブログを読んでくれている方で「グループが動いてくれない」と不満を抱えている方がいたら、考えを改めた方がいいだろう。

グループのメンバーは、自分が思っている以上にあなたのことを見ている。

「あのリーダーが動いていないなら、ちょっとくらい手を抜いてもいいだろう」

そう思うメンバーも出てくるのだ。

ネットワークビジネスで上のタイトルを取っていくには、グループに収入を取らせていくという責任が伴う。

それを決して忘れてはいけないのだ。

気づき4:プロと組むことで成功確率が飛躍的に上がる

ここは本当に重要なポイントだ。

ネットワークビジネスをビジネスとして取り組むなら、絶対にプロと組んだ方がいい。

これは間違いない。

では「プロ」とは何か?

僕個人の見解を述べると、

・10年以上ネットワークビジネスの仕事に取り組み続けている
・5年以上毎月100万円以上の収入を 継続して取り続けている
・自分だけではなく、グループのメンバーにも自分と同等レベルの収入を取らせている

最低限これらの条件を満たしている方だ。

直接のアップラインがプロではないとしても、自分のフォローにプロの方が入り続けてくれるかどうか。

これは絶対に外してはいけない。絶対だ。

人それぞれ得手不得手は違う。

あるリーダーが成功したやり方をそのまま真似してもうまくいかない場合がある。

良いリーダーは、その人の適正を見極めながら、その方が最大限活躍できるようにビジネスをコーディネートする。

もちろん、苦手でもやらなければいけないことはある(新規開拓やアポ取りなど)

それでも良いリーダーは、その方がうまくいくために色々な角度からやり方を考えてくれる。

ネットワークビジネスでは、組む人で成功確率に雲泥の差が出る。それくらい誰と組むかは、重要なポイントなのである。

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第14話につづく

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